『闇が落ちる前に、もう一度』(山本弘)

表題作の「闇が落ちる前に、もう一度」他、「屋上にいるもの」「時分割の地獄」「夜の顔」「審判の日」、全部で5編を収録。
一番気に入ったのは、やっぱり「時分割の地獄」かなあ。AIの論理的"心情"を上手く書いてると思います。『アイの物語』へ続くプレ・ストーリーという趣きも読めるし。
ただ、「心」の捉え方については、なんとなくそうかもしれないとも思えるし、範囲が広すぎるんじゃないかという危惧も同時に覚えたり。AIアイドル"ゆうな"としては問題ないでしょうけど、何か引っ掛かるんですよね。人間としてはそこまで割り切れないというか。「心があるように見える」のと「心があるようにしか見えない」のと「心がある」の境界線はどこにあるのか? 難しく、面白い問題です。
他の短編も上質なものばかりで、オススメ。アイデアが光ってます。


続きは明日。……あと30分で明日になっちゃうじゃないか。