容疑者Xの献身


□X論争黙示録
http://www3.vc-net.ne.jp/~longfish/varia/061009_devotion/index.html#toc


「X論争」のまとめサイト
X論争とは、2005年8月末刊行の東野圭吾『容疑者Xの献身』について、二階堂黎人氏が同年11月末「『容疑者Xの献身』は広義のミステリーとして優れた作品だ。しかし、本格推理小説ではない。本格として優れていると評するのは問題がある」と発言。これを巡って巻き起こった作家・評論家間での大論争を指します。


*『容疑者Xの献身』のネタバレ満載なので、未読の方は見ないほうがいいでしょう。


まとめサイトをざっと見ただけなので、間違ってるかもですが。


この論争で興味深いのは、彼らは「『X』が本格か否か」を争ったわけでも、「そもそも本格とは何か」の定義を競ったわけでもないという点です。……彼らは主に「どういう議論をすべきか」で争っていたのです。
それらの発言群ですら「個々人の考えの一つ」という形でしか扱われなかったのですが。万人の認める定義はなく、さりとて権威主義に帰るわけにもいかない二十一世紀。ネット上で果てしなく議論だけが拡散していく二十一世紀。
サイトの管理人・小田さんは、

 「我こそがもっとも正しい主張をする者なり」という意見はもちろん、もはや「我こそがもっとも正しい主張の仕方を心得る者なり」という意見さえ許されない。X論争を通じて痛感したのはそういうことだった。


と書いておられます。

 自分が信じる「正しさ」から外にでて、たとえ不利であっても相手と同じ土俵に立ち、お互いの言葉をつなげていく。そのような手続きが必要に思う。(中略)たとえプライドを捨ててでも誠実さに身を投げ、相手とのプロトコルを確立しなければ、価値観の多様化した現代において議論を深めることはできない。
 信仰としての正しさを掲げるのではなく、探り合うリアルを叩き付けてくれる論を望む。


とも。
RPGの議論に関しても、参考にしたい考えです。