Fブロック作品の感想・解析


最後にFブロックだけでもと選んだのは、藤村脩さんと葉山郁さんが居られるから。よく作品を読んだ作家さんなら、分かりやすいかな? と。

――Fブロック――


・F-01  星


感想:

宇宙で資源鉱夫の二人組がでくわした、ちょっと良い話。SFの正道ですねえ。ここまで真っ直ぐな格好よさもそうそうないような気がします。


解析:

短文〜中等度のバランス型。台詞は多くは無い。俺一人称、地の文でも「?」などあり。二人の対話が基本。「……」あり。漢数字を使用。「掴まえて」「勿体ない」「纏まった」「拗ねた」などの漢字を使用。台詞中に拗音あり。


・F-02  星の数ほど


感想:

なんとも微笑ましい雰囲気です。夜景を望むレストランでお食事。切り出そうとして切り出せず、数学の話をする彼に、ちょっと親近感を抱いてしまいました。


解析:

短文〜中等度のバランス型。台詞は長くなるものも。台詞はさほど連続しない。「……」「――」両方を使用。漢数字を使用。地の文で「!」使用。「()」での内心表現が少数あり。


・F-03  モトラタトラット (ハナモゲトラッタッタ語で「目が覚めたなら」という意味)


感想:

あふれでる想像とは、この世界を指す言葉では。自由に伸び伸びと書いてらっしゃる。畳み掛ける独特の文体を使いこなしてます。
異世界へと飛ばされる癖がついた少年は、今日も次元の穴を潜ります。いつか誰かの悪夢が終わるまで。少し羨ましかったりするのでした。


解析:

短文〜長文まで重層に積む文体。台詞はまとめて掛け合いとして表現される。台詞中ばかりか地の文も口語体に近い。記号を多用、「…」「……」を使用。「ー」を沢山使用。句点は省略されやすい。「」内で「」を使用。


・F-04  星に願いをかけてみた


感想:

ちょっとしたファンタジーと心の交流。彼と彼女は己の中を見直して、少し距離が詰まったのかも? 明日はきっと違う日になりそうですね。


解析:

短文〜中等度のバランス型。台詞も同様の長さで、地の文と連続することあり。「……」「――」両方あり。「我侭な」「炬燵」「俄かに」などの表現あり。


・F-05  夢売りの話


感想:

夢に耽溺する話は数あれど、こんぺいとうを売る獏の話は珍しい。発想が楽しいですね。どんなに弱くても己の夢を大切にしたいものです。邯鄲の夢。


解析:

短文〜長文のバランス型。台詞は地の文に埋もれて少しだけ。「……」「――」両方を使用。句点を多用。漢数字を使用。地の文では『』を使用。


・F-06  翡翠


感想:

夜明けの明星。例えるなら、それほどに凝縮され透き通ったお話で。翡翠という言葉を磨いて作った鏡を覗いたような美しさでした。


解析:

短文主体、中等度の文も適度にあり。台詞は多めだが、吟味されている。「……」「――――」両方を使用。漢数字を使用。文中強調は「""」と「『』」あり。「?」の後のスペースを省く事あり。


・F-07  ぷっぺ 〜星の妖精〜


感想:

星の灯火をつけて巡る妖精たち。楽しいですね。ちょっとした想像で、眼前の風景が違って見える、それは創作の原点ではないでしょうか。


解析:

短文〜中等度のバランス型。台詞はなし。「……」「――」両方を使用。漢数字を使用。


・F-08  流星の夜、金の風吹く


感想:

綺麗な邂逅です。ファンタジィ。終わり、始めるのには、ふさわしい理由さえあればいい。この後のお話を見たくなる、見事な余韻でした。


解析:

短文〜中等度、やや中等度よりのバランス。台詞は多め。「……」が主。「――」あり。文中の強調に『』使用。


・F-09  カフェ・アルモニカ


感想:

掌編に、乱反射する星の光を閉じ込めたような。夢が凝って溶けて妙なる音色に変じ、泡と化して水底に沈む。揺さぶられました。


解析:

短文〜中等度、短文が主。全体に短く、台詞は僅か。耽美的な形容が多い。体言止めを多用。


・F-10  星龍井戸譚


感想:

中華風の不思議譚で、五行を巧く使ってますね。年月を経て周りが変化しても、変わらない二人が可愛いです。鏡・水・龍とつなげて、最後は爽やかな後味。


解析:

短文〜中等度のバランス型。台詞は多めだが、一つ一つは短め。「」内()を使用。段落分けに「***」を使用。強調に『』を使用。漢数字を使用(当たり前)。文中に擬音あり。「……」を主に使用。「――」は言い換え。


・F-11  ぼくと彼女


感想:

ここまでストレートだと、こそばゆいですね〜。泣かせたくない理由を、最初は母親に怒られたり、近所で噂になるから、と自分に言い訳するやっくんが良いです。


解析:

短文が主。台詞が多い。改行や段落分けが頻回。段落分けに「*」を使用。「……」「――」を使用。(子どもらしくするため)カタカナ語を使用。強調に『』を使用。

―Fブロックの部分予想―


ここまでは、事前にコピペした分を見ながら書いてます。したがって、各作者さんのサイトはまだ見に行ってません。
さて、もう解答は出揃ってるわけですが、見に行く前に最後の予想。


・藤村脩さんは?


う〜ん、難しいです。F-04、06、08あたりを候補として考えたんですが……。お話の組み立て・まとめ方から、一番にF-04を挙げておきます。うぅ、外れそう。


・葉山郁さんは?


こちらは、真っ先にF-03が浮かびました。なかなか、ここまで畳み掛けるような文章を得意とされる作者さんはいないと思います。


では、どうかな? 答え合せにいってみましょう!