Bブロック作品の推理

では、次はBブロックの推理いってみよー。
書けたら順にアップしていきます。


―Bブロック―


□『星回りゆえにさまざまな日々』(ひさちさん)
http://hosimawari.jugem.jp/?cid=8
□『感情×環状線』(ひさちさん他)
http://sinra.egoism.jp/tera/frd50/


小説二編「砂は忘れじ」「火起こしの蜂」を読ませて頂きました。幻想的でもしっかりと息づく世界。どこか哲学ぽく、確かな答など無くとも生きていく人の姿を、瑠璃細工のように写しとっておられます。
のっけから難しいです。以前の予測に反しますが、直感の印象ではひさちさんの作品としてはB-10が最も近い感じです。次にB-03かな。いずれにせよ、他の作家さんの予想で覆されそうです。

修正)う〜ん、B-10は織人文さんの作品でしたか。やはり二編だけでは類推しづらい。他の作家さんを先に推理しましょう。

再修正)残るはB-07ですが……もう一度ひさちさんの作品を読み直してからにします。『感情×環状線』内のひさちさんの作品を読ませて頂きました。短編で、主な登場人物は主人公と相方のみ。主人公は秘めた思いを持っていて、それが相方との会話に影響していく構成が多いですね。苦しく灰色の世の中で、それでも前向きに歩こうとする人々にエールを送りたいです。文章表現もこなれていて、読みやすい。確かに、ひさちさんの作品をB-07と考えておかしくはないですね。


□『まひるのひかり』(みずきあかねさん)
http://homepage3.nifty.com/danna/index.html


メインの現代SFファンタジー「速水シリーズ」ほか、短編・掌編が幾つも。平易な文章で、登場人物が心を揺り動かす様をするする書き留めておられますね。
おそらくB-02がみずきあかねさんの作品でしょう。でなければ、B-09でしょうか。


□『茅葺き屋根の家』(茅さん)
http://homepage2.nifty.com/chigaya/


大長編異世界FT「翡翠抄」ほか、たくさんの短編あり。コミカルな「相馬さんちのお嬢様's+1」シリーズから、前回企画の「モロッコの薔薇」のような美麗な小品まで。
モチーフ「成就しない想い」と文中の漢字密度から、B-03の印象が茅さんに一番合っていると思います。もし違う場合に備えて、第二候補にB-11を挙げておきます。

修正)とと、やはりB-11が正解でしたか。最後の掛け合いなど、「相馬さんち」のノリに近いですし。多彩な登場人物と、日常に即した描写も茅さんらしいです。茅さんの作品はB-11でFAとしますね。

再修正)いやあ、全然FAじゃありませんでした。むしろ、B-09の方がより特徴としては「相馬さんち」に近いですね。短文が主で台詞の多い構成、頻回の段落分け、軽い台詞回し、台詞中の「!」「?」の頻用、「……」の使用(茅さんは、ほとんど「――」を使われないようです)から、B-09が茅さんの作品としてより合致すると考えます。


□『ふみかばんのほーむ』(広河陽さん)
http://homepage1.nifty.com/fumikaban/


SFとFTの作品を長年に渡って書き続けておられます。最新作「ラブレターは女神から」ほか、「ダイアローグ45min」「秘密は花園に眠る」などトリックを忍ばせたSF仕立ての作品を得意とされているようです。
最初の推理時には昔の短編まで遡って読んでしまったため、最近の作風に対する印象が弱まってしまったのがブレた原因でしょう。
登場人物を2人に制限したり、その2人の名前の出現頻度や、文中で「」での強調を行う、数詞はアラビア数字(ときに半角)を用いることから、広河陽さんの作品はB-03として間違いないでしょう。
(すると、茅さんの作品に対する予想は間違いだったか……)


□『世界の背骨』(織人文さん)
http://homepage3.nifty.com/orijinn/


こちらもSFとFTの作家さん。長編FT「グラナダ・サーガ」「失われし時の物語」、SF「宇宙刑事ギャラン 緑の星」など。
動きの速い物語が持ち味で、会話主体で進めるかと思えば、じっくり描写もあり。文体の特徴として、「その」「そこ」「それら」など「そ〜」形の指示語の多さ、また他の作家さんよりも句点の頻度が多いようです。これを踏まえると、B-10が織人文さんの作品ではないでしょうか。
(だとすると、ひさちさんの作品は……どうなっちゃうんでしょうかねぇ)


□『As Asas de ASOU』(麻生新奈さん)
http://homepage2.nifty.com/as-o2/t0p.htm


正統派のSFを何編も書いておられる作家さん。「満ち足りた、この1日の終わりまで」など出色の出来です。文章は論理的にして、「人」と「人以外」が交わる情感に満ち満ちています。
これはもう、麻生新奈さんの作品はB-06で決まりでしょう。ここまで徹頭徹尾のSFセンスはこの作家さんに相応しいと思いますね。


□『スパイラル・ガーデン』(鳴上さとみさん)
http://homepage2.nifty.com/spiral_garden/index.html


FTと現代恋愛物を書いておられます。「青の魔術師」シリーズ、「恋愛対象外」シリーズ、いずれも軽快なテンポで読みやすい。やや展開が強引なところもありますが。
会話中心、展開の急転のほか、「……」「――――」(一部「―――」あり)使用や、「""」の使用、台詞末尾「!?」(半角)使用から、鳴上さとみさんの作品はB-08じゃないかと。


□『空想家の世界』(弥月未知夜さん)
http://fazart.hacca.jp/index2.htm


FT「精霊使いと〜」シリーズ、現代恋愛物「変な人」シリーズをメイン長編として、軽妙な文体で砂糖菓子のような作品を次々と紡いでおられます。登場人物の掛け合いが楽しく、愛が感じられます。
何編か読ませて頂くうちに、短文〜中等度のバランス型、「……」「――」の両方の使用、頻回の「ー」「!」「?」に気付きました。台詞の掛け合いの妙からも、弥月未知夜さんの作品はB-11と考えるのが一番しっくりきます。
(すると、茅さんの予想はまた修正しないといけません……)


□『Fayerie』(柚希実さん)
http://fayerie.rdy.jp/


長編FT「アルテーリアの星彩」シリーズを中心に書いておられます。簡潔な筆致に登場人物の想いが篭もっています。
頻回の改行、短い台詞回し、カタカナ語の擬音、「……、」を使用など。また、時に登場人物が戦術的に行動する描写や、何よりアルフレートとルーナの関係は、ラブラブペアことフォース&リディアの絆を思わせます。B-01が柚希実さんの作品ではないかと考えました。

注)柚希実さんの作品ではアラビア数字は使っておられませんが、あえて文体に迷彩をかけたのかも?


□『Strange Hours』(鈴子さん)
http://homepage1.nifty.com/nappe/


大長編FT『イアナ神戦記』をはじめ、時代物、現代恋愛物、数多くの作品をお書きになっています。
短文を重ね、頻回に段落分けし、台詞は控えめ。また最近の「2秒トキメいた」では地の文にも「!」「?」が出ていますし、短編・長編には「」『』「""」の混交が見られます。またアラビア数字を使用。鈴子さんの作品は、B-04以外では考えにくいですね。


□『燈月庵』(3月兎さん)
http://homepage1.nifty.com/tea-party/


基本的に1000文字の短編小説を30編ほど書いておられます。哀愁漂う世情にそれでも生きる人々の懸命な姿、苦しみ悩みの先にある小さな幸福を、掌編で描き出す名手です。
短文が主で、中等度の文もあり。作品によって台詞の多少はありますが。何より、独特の視点と、文章の色調から、3月兎さんの作品はB-05であると推理できます。

―Bブロック 推理結果―

  • B-01  満月の牙  =  『Fayerie』(柚希実さん)
  • B-02  求めるトクベツは  =  『まひるのひかり』(みずきあかねさん)
  • B-03  星の河をわたる風  =  『ふみかばんのほーむ』(広河陽さん)
  • B-04  最後のブルース  =  『Strange Hours』(鈴子さん)
  • B-05  星を握る  =  『燈月庵』(3月兎さん)
  • B-06  生命 撒く者 〜 Panspermia  =  『As Asas de ASOU』(麻生新奈さん)
  • B-07  Xing(シン)  =  『星回りゆえにさまざまな日々』(ひさちさん)
  • B-08  空を見上げて  =  『スパイラル・ガーデン』(鳴上さとみさん)
  • B-09  指先に星  =  『茅葺き屋根の家』(茅さん)
  • B-10  歌う星  =  『世界の背骨』(織人文さん)
  • B-11  ちょっとだけ遠い未来のこと  =  『空想家の世界』(弥月未知夜さん)


いやあ、これまた難題揃いでした。あんまり自信ないですねえ。
さて、もうここまで来たら順番に行きましょうか!