わたしたちの田村くん(1)

原作・竹宮ゆゆこラノベ。平凡な中学3年の田村雪貞と、少し変わった女の子二人が織り成すおかしくてちょっと切ない恋模様。進路調査票に「故郷の星へ還る」と書き続ける不思議少女・松澤小巻。学年随一の美少女にしてツンドラ極まれり・相馬広香。
1巻では、相馬広香との出会い――田村の兄あてのバレンタインチョコを顔面に誤爆された事――から、謎の顛末があって憤懣やるかたなきを、田村君が相馬にぶっつけるまで。も、描かれるのですが、メインは松澤小巻とのやりとりかな。
田村君は、夏に松澤と接近遭遇し、マラソンに付き合うもかわされ続けて。ようやく知った彼女の過去はかなり重たいもので。「地上の苦しみも悲しみも全て忘れて/いつか帰れる日が来るって信じてる/そうでなくちゃ私は―――…」当たり前だと思っていた家族のいる日常が、彼女には存在しない事を知った田村君に打つ手はあるのか。第2巻へ続く。
番外編として、田村君の友人・高浦真一の妹・玉井伊欧の話。異様な潔癖症で、かなりキテる黒魔術師スタイル。「人間とは欲望に操られた愚かなマリオネット……欲望さえなければ……性欲な・ん・て/不潔よ―――――――!!!」と叫ぶ御方。でも男女関係占いは当たるのね。後半はこれも第2巻へ続く。